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この歳になればもう何も怖くない。アラフォー独喪が突っ走るブログ

全線開通した国道6号線を通ってきました。

国道6号線、全線開通。


国道6号 3年半ぶり全線開通 | 河北新報オンラインニュース

昨年、3年半ぶりに国道6号線が全線開通しました。

正直生活圏の方々やワタシのような浜通り出身の人間じゃなければ、あまり関心はなかったでしょう。

この14キロが通れることにより、浜側の人々の仙台へのアクセスは格段に向上します。

さて、先日仕事の関係でこの「帰還困難区域」に行ってきましたので、この地域が今一体どうなっているのかを写真でご紹介したいと思います。

いわき出身のワタシが思うこと

いわき市は震災後、約3万人ほど人口が増えたそうです。
お察しの通り、増えた人口のほとんどは避難民と作業員の方々です。

人口が減っていたいわきにとって、ワタシはいいことなんじゃないかな、と。

やれ治安が〜とか一部では言われているそうですが、人が増えなければこの町にこれ以上の発展はないわけで。

ワタシの生まれた地域でも、作業員の方々の受け入れをするかどうかの話があったそうです。結局話は流れた?ようですが(人から聞いた話なので確証はありません)、何をそんなに頑なになるのかなーと。

治安、そりゃ大事だ。田舎だし、ワタシの生まれた町には交番もない。何かあったら大変なのはよくわかる。

でもあの有り余る土地を有効活用して人が増え、町が栄えたらそんないい話はないんじゃないかなぁ。

・・・まぁこの話はこのへんにしておきます。今日のメインはこれじゃない。

なお上記は完全なるワタシの私見です。

いざ、双葉郡

いわきからは常磐自動車道常磐富岡(現在の終点)まで高速に乗ります。

通った道はこんな感じ。

常磐富岡インターから県道36号線を通り、国道6号線へ入ります。というか6号線に行くにはこの道しか通れません。

スクリーニング場

県道36号線には「高津戸スクリーニング場」があります。一時立ち入りをしない限り、ここを利用する必要はありません。

ここではその名の通り、スクリーニング検査をします。
立入許可証の確認とともに、車内の検査と我々人間への検査です。

手のひら、手の甲、全身、靴裏、身体の全体を検査していただきます。
また、着用した防護服やマスク、手袋、靴袋などはこの場で廃棄します。

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これが高津戸スクリーニング場から見た景色。
黒い袋は所謂「除染袋」と言われているものです。

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こんな感じにいっぱい。
別名「黒いピラミッド」だとか何だとか。よく考えるね。

国道6号線

前置きが長くなりすぎました。

国道6号線に入りました。

現在の国道6号線は、かなり交通量があります。
ストリートビューは開通前に撮影されているようなので、そっちのほうが見やすいかもしれないですね。

大熊町双葉町付近

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熊町付近。
このバリケードは国道沿いの一般住宅への侵入を防ぐためのもの。

バリケードはもう2種類あって、1つは国道6号線以外の道路を封鎖したものと、もう1つは立入ゲート。

見分け方は簡単で、国道6号線の信号が黄色点滅している交差点は封鎖、青信号になっている場所が立入ゲートです。

青信号(通常の信号)になっている交差点にはスタッフの方がいらっしゃって、立入許可証(通行証)と身分証明証の提示が必要になります。

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こんな感じ。

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この牛踏交差点は双葉町に入るゲートがあります。
右のシルバーの車はまさに町から出てきた車ですね。

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見えづらいですが、正面の信号は黄色。つまりこの交差点は直進しかできません。

方方に看板が立っており、白い看板には「この先帰還困難区域につき通行規制中です」と書かれてあります。

その他にも「ここは帰還困難区域(高線量区域を含む)」や「この先帰還困難区域につき通行止」など、おどろおどろしい言葉が。

ちなみに、その日の風向きやスポットによってもだいぶ違いますが、開通した国道6号線の平均放射線量は1〜2μSV/hくらい。福島第一原子力発電所に一番近い場所は、その時で7μSV/hほどでした。

南相馬市小高付近

このへんは放射能、というよりは津波の被害がひどかった地域です。

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元々田畑が多かった場所ですが、今も何もありません。写真の奥が海です。

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今でもこのような光景が普通にそこにあります。

ここより北上すると、人々の生活の匂いがしてきます。

コンビニやごはん屋さんなども開いています。
ただ、いる人々はほとんどが作業員の方々で、その光景はここでしか見れない異様な光景でもあります。

最前線ごはん

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お昼。

もりもり・・・。

働き盛りの男性にはありがたいご飯食べ放題です。

こうやってたくさん食べて、毎日頑張っていらっしゃるんですね。

税金がどうたらこうたらいろいろありますが、同じお店にいた若い作業員の方々を見ていると、そこに確かな雇用があって、頑張って働いている姿があります。

正直な話、元に戻るには途方も無い年数が必要なんでしょうが、ワタシは最前線で頑張る作業員の皆さんを応援しています。

で、できればそのままいわきに永住しちゃって、いわきの活性化にご協力を、なんてw

最後に

特になにかまとめようなどとは考えていないのですが、開通した6号線の現状はこんな感じです。

日本のどこに行っても見られない風景であることは間違いないですね。
陸前高田ともまた違う、何とも言えない風景です。

正直ここに寄って何かできることなどはありませんが、もし行ってみたい(通ってみたい)と思っている方がいらっしゃったら、1つだけご注意ください。

それはトイレです。

もう間もなく常磐自動車道も開通しますが、この地域ではトイレが利用できません。
常磐自動車道だと「四倉」「ならは(3月オープン)」より先はしばらくトイレ休憩などができませんので、ご注意ください。

国道6号線も然り。トイレが無いこともないのですが、利用できたとしても仮設トイレになります。

車で通過するだけならば特に問題はないかもしれませんが・・・電気も水道もないので、手も洗えません。

なおワタシは手洗いに関しては除菌ウェットティッシュと飲むために買ったウィルキンソンの炭酸水で凌ぎました。。

おまけ

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男性用のサイズしかなくてずんぐりむっくりですが。。
靴袋の形がブーツみたいで意外とかわいくてお気に入りでした。